野中広務さんが亡くなった。
ぶらっと本屋によって新書を買い漁っていた時期があったのだけど、多くは一回読んで終わっていた中、何度も読み直した数冊のうちの一冊が野中さんと辛淑玉さんとの共著の『差別と日本人』(角川新書)だった。この本で初めて知ったことはたくさんあって、吐き気を覚えるような歴史の出来事も綴られていたのだけど、野中さんの世代が日本にいることに安心感を覚えるような内容だった。
それまでのいろんなニュースで、野中さんに対してあまり良くないイメージも少なからず抱いていたけれど、それが大きく変わった一冊だった。
。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。
野中広務さんインタビュー【09年8月特集-戦争を考える】 不登校新聞 → http://www.futoko.org/special/special-17/page0803-511.html
。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。
野中さん自身も最後の砦の意識があったのだろう、最近はこの国の行く先を危惧する発言する機会が増えていたのだけど、それももう無くなってしまった。次の世代がどの様に引き継げたのかが平和に直結する時代になっているけど、野中さんが危惧していた状況をひしひしと感じざるを得ない。
この危惧というのは教育の世界でも感じることで、例えば生徒が戦争の授業を「つまらない」と言ったことに対して「押しつけだもんね」なんて同調してしまう教育関係者も少なくない。また、なぜだか平和教育を政治的なものとして捉える人も多くて、結果、当たり障りなく年表を読むような授業しかできない人も多い。これでは、ぼく達の次の世代はどうなっていくのだろう。過去の戦争を“負の遺産”として平和の礎にしていくには、教育の関わりというのは不可欠なはずなのだけど。
そんな風に考えると、上記の不登校新聞の紙面でインタビューに答える野中さんの思いも、何となく感じ取れる気がするのです。
。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。
『戦場のメロディ』という韓国の映画を観た。
正直ちょっと「???」という場面もあったけれど、2時間ちょっとポロポロしながら観た。それも戦争がもたらす悲惨な状況を、子どもの立場を中心に描いた映画だったからだろうか。戦争は多くの人をいろいろな形で不幸にするだけという動かざる視点は、様々な歴史を経た現在においては絶対的に必要だと、改めて思った。
。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。
もうすぐオリンピック。北朝鮮の参加を巡っていろいろな意見が出てくるけれど、個人的には以前このブログでも紹介した映画『ハナ 奇跡の46日間』を思い出さずにはいられない(→梅雨明けまであと少し http://freeschool-coral.com/okinawa-diary/?p=2010)。
休戦中(決して終戦はしていない)の両国が手を取り合うというのは、スポーツの世界だからこそ可能なこと。そしてオリンピックという舞台ゆえに、世界中の多くの人達が具体的な平和の姿を感じ、世論を動かす機運になるかもしれないと期待をしています。