まずは、全員参加のゲームでスタート。
「沖縄県の市町村を知ってるだけ挙げてみて」
那覇市、浦添市、名護市、西原町、南風原町…
「他には?島もあるでしょ?」
「あっ!そうか!」
宮古島市に石垣市…
「じゃぁ、じゃんけんで勝った順に広いと思う所を取りっこね」と、陣取りゲーム。
「人口は関係ないんだよね?」
「そう。広さだけ」
「じゃぁ、那覇は狭そうだな…」
一通りゲームをしたあと、本題の算数の授業へ。みんながそれぞれ最初に選択した宜野湾市、名護市、国頭村の広さを地図を使って比べることに。どんな風に比べたらいいのかを自由に考えます。
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導入に何を取り上げようかちょっと悩んだけど、地理に関連するゲームはいろいろと経験してきているので、地図を使うことに。その中で、見慣れているメルカトル図法の世界地図だと実際の面積との違いが大きい。地図ゲームでみんなが慣れている都道府県を取り上げてもいいかなとも思ったけれど、より緯度の差が小さい沖縄を題材とすることにした。
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まず、見た目で圧倒的に狭いのが宜野湾市。ゲームで選んでしまった本人なので、
「あ、負けた…」なんて。
「じゃぁ、宜野湾市が一番狭いということを小さい子に説明するとしたら、どうやって説明する?」
「重ねてみるとわかるんじゃない?」
「重ねる!広さを重ねて比べるって、たとえば、この折り紙だったらどういう説明になる?」
準備しておいた、3つの大きさの折り紙を使って説明してもらいます。
「重なるところはちゃんと重ねて、はみ出てくるところがあると、それだけ大きいことになる…」と、丁寧な説明!
確かに、宜野湾市は、名護市、国頭村それぞれの中にすっぽり収まってしまいそうだね。
「じゃぁ、残った国頭村と名護市はどっちが広い?同じくらいの広さだねぇ」
「地図、切ってもいいの?」
もちろん。他にも必要なものがあったら言ってね。
切り出した国頭村と名護市の地図…。
そして、定規と紙を持ち出して、それぞれの地図がきっちり収まる長方形を作り出し始めました。ぼくは黙って見てるだけ…。
「できた!名護市の方が広い!」
「理由は?」
「今、それぞれの地図が入る紙を作ったから、これを“部屋”だと考えて、どっちの部屋の方が広いのかを重ねて調べてみた。で、名護の方が広い!」
「そう!名護市の方が広いので正解!けど、この方法で、何か気になるところはない?」
「“部屋”の中に余計なところもあるのが気になる」
今回の教材が地図だから、比べる形はデコボコしている。それを比べやすいように、それぞれの大きさに近い長方形に置き換えたのは素晴らしい工夫。
けど、地図がピッタリ収まる長方形だったとしても、やっぱり隙間がたくさんできることに。
「うーん。どうしよう」
「何を使ってもいいよ」
目の前には、国語のノート。マス目に地図を乗せてみます。
「マスが1,2,3…」
地図が乗っているマスを数えていくと、もう少し細かく比べられそうだね。
そして最後に、広さ、面積の単位の紹介。新しい単位は何とも新鮮な様子。そのあと、テキストの問題にもチャレンジしてみました。
「面積って、面白いかも!!」って。良かった!
次の授業は、点→直線→面への広がりからです。
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数週間前に、分数の引き算を教えながら「次は面積だなぁ」とぼくが言ったのを聞いてから、「面積って、どんな?」「面積ってなんか難しそうだなぁ」「先に調べてみようかな」なんて、毎回呟いてたね。
新しいことを勉強するということを、こんなにも楽しみにしてるというのがひしひしと伝わってきて、身が引き締まる思い。素敵な発想も見られたし、何より楽しく授業は進んだので一安心だけど、より良い授業のためにもう一度振り返って改善点を考察中です。