「あ、この計算問題なら解けるよ」
「いや、違うよ、かけ算から計算しないといけないんだから」
「え?なんで?」
「なんでって。学校でそうやって習うよ」
大きい子と小さい子のこんな会話。
大きい子とはしっかり捉え直しを。まずは、かけ算を先に計算するというのは、例えば生活の中ではどういうことなのかを考えます。
ここから、足し算の話、量を表す数字と順序を表す数字の話などなど…。
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考える授業も。
「人間と他の動物の違うところ、どんなことがある?」
思いつくだけ、どんどんと。そして、また一つ一つ検証していきます。それは、“本質として違う”かどうか…。
「ほら、人間は物を作るよ。あ、でも動物も巣を作るか…」
「お、例えばビーバーって知ってるでしょ?」
「ダムを作るんだよ、知ってる」
じゃぁ、“人間がダムを作る行為”と“ビーバーがダムを作る行為”は、同じなのか。違うとしたらどういうところなのか。これは、林竹二さんの有名な授業実践の命題です。
「ビーバーは、木を集めてくる」
「人間は?」
「コンクリートを…、持ってくるのか。同じかな」
「うーん、もう知らないなぁ」
けど、知っているか知らないかは大事なことではなくて。目の前のことについて、自分がどう考えて、その意見をどうまとめるか…に重点を置いて。テストでマルをもらうということが勉強の中心にあると、答えがある訳じゃない…という点からピンとこないのも当然のことで、これはかなり高度。しばらく練習です。
正直なところ、適切な命題を考えるのも難しかったりも…。
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そういえば、林竹二さんの授業実践の中には「物知りであるということと賢いということ」といったものもあったなぁと。改めてそのしっかりとした軸を身にしみて感じる。
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「はい、じゃぁ、また来週~。あ、今日で8月も終わりか」
「え?なんで??」
「なんでって、なんでだと思う?」
「明日から9月だから」
「夏が終わるから」
色のある答え二つと共に、8月の放課後教室もおしまいです。