この日曜日は、久しぶりにオープン日。リクエストのあったうどん作りと、夏休みの自由研究のヒントにと“表面効果翼船”というものを作りました。
。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。
まずはうどん作り。いつもは、キッチンで細々と作っているのだけど、みんながいると楽しいねぇ。
計量はしっかりと。強力粉、薄力粉、全粒粉を合わせてふるいます。

あとはコネコネ…。体重をかけて「うーん!」

そして、踏み踏み。ここが、うどんのコシと滑らかさのポイント。
「大人は重いからいいよね!」
「そうだねぇ。子どもは大人の倍の回数踏まないとね。軽いから」
「!!」

「できた??」

すべすべになって良い感じ!楽しみだねぇ!
。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。
うどんの生地を寝かしている間に、約束していた“表面効果翼船”作り。
けど、その前に“飛ぶ”という言葉をキーワードに自由研究に繋がるようなものをいくつか紹介。
『1.飛ぶ→飛行機の歴史』
飛ぶ乗り物を思いつくだけ挙げる。
「ヘリコプター!」
「鳥人間!」
「鳥人間??」
「ほら、すごい自転車こいでるやつ」
「テレビの番組ね!飛んでる!飛んでる!」
そこから、飛ぶ原理の仲間分け。「オスプレイは?」なんて質問も出てきます。
そして、人間が空に飛ぶ歴史についても。
『2.飛ぶ→鳥→他の動物との違い』
鳥は鳥でも、飛べる鳥と飛べない鳥がいる。
「鳥が飛べるために、重要になってくることってどういうことだと思う?」
ここでは“重さ”をキーワードに、あれやこれや。ちなみに、飛ぶことのできる世界最重量の鳥は、“アフリカオオノガン”。それでも18キロくらい。
『2.の発展。鳥と他の動物との違いを出産という観点から考える』
「馬は、生まれてからどのくらいで歩けるようになる?」
「知ってる!1時間くらいでしょ!」
「じゃぁ、人間は?」
「え?2歳?」
「そんなにかからない!」
人間は、馬とかに比べて多くのことができない成長段階でお母さんのお腹から出てくる。それはどうしてだろう??
そこから、鳥の話に戻り、「鳥はどうして卵で生まれてくるんだろう?」へ。
卵の形から予想、ヒナの姿から予想、巣の様子から予想…。次々に出てくる!その一つ一つの予想について“理屈に適っているか”という視点で、ぼくから質問。大袈裟にいえば、一緒に予想を論理的に検証します。

本当はそれぞれのテーマで、4~5回くらいに分けて授業をしてきたのだけど、今日は自由研究のさわりということでサッと。
「でもさ、いろんな情報を元に研究して、こういう意見を出しているだけで、別にこれが正解ってわけじゃないんだよ」
「え!違うの??」
「違うとか、合っているとかじゃなくて。どこかに“こうですよ”って説明書があって、鳥とかがいるわけじゃないでしょ?いろいろと、観察したり、考えたりして、その上で一つの理屈に適った捉え方ということ。だから、みんなの方がもっと納得のいく発見をするかもしれないんだよ」
教科書が与えられた“答え”というわけじゃない。これからみんなが謎解きに参加する可能性がたくさんある世界なんだね!
。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。

そして、本題の“表面効果翼船”。これも、10年以上前、「飛行機はどうして飛ぶの?」という子どもの質問に応えて、授業作りをしている中で出会った教材なんだけど、とっても楽しい!
そもそもの「飛行機はどうして飛ぶの?」という質問に対して、よく目にする子ども向けの説明では説明しきれないことがたくさんあるというのが授業の出発点だったけど、これは上記のようなみんなが将来学術に参加する可能性の典型。
さておき。
“表面効果”とは、翼と地面・水面との干渉効果のこと。実際にこの効果を利用した乗り物の研究もされているようだけど、この日は工作用紙で模型作り。鳥取大学工学部の久保昇三教授がネット上に公開していた『表面効果翼船の模型「ラム」』のキット(改めてネットで検索したけれど、発見できず…)をプリントしておいたので、みんなは切る、貼るでおしまい。お手軽。

あとは、固定したゴムにひっかけて飛ばしまします。

紙飛行機のように飛ぶのではなくて、床の上を滑るように「スーって行った!」
進んでいくイメージはホバークラフトと同じだけど、原理は違います。

壁の端から端まで届いた!
“飛ぶ”ということの疑問からここまで、みんなずっと楽しそうだったね!盛り上がった!
。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。
表面効果翼船は一度片づけて、うどん作り再開。寝かしておいた生地を切ります。

あとは、家族の皆さんをお呼びして食事会!
「美味しい!」
「うどんも作れるなんて、すごいなぁ」

「見て!一番長いの!ナガナガ子!」
うどんの名付け親にもなりました。
皆さん、満足のお味だったようで良かったね!体力勝負の作業を根気強く頑張った甲斐があった!!
盛りだくさん、満足、満腹の日曜日でした!
。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。゜。
おまけ。
“飛ぶ”ということの話を整理しながら聴いていたのは、
あぁ 人は昔々 鳥だったのかもしれないね
こんなにも こんなにも 空が恋しい
という中島みゆきの『この空を飛べたら』という曲。人間にとって、“飛ぶ”というのは、よく出てくる、夢や憧れというような言葉に加えて、さらにいろんな複雑な感情を呼び起こす言葉なのかも。
そんなで、“飛ぶ”という言葉から、詩の世界への授業も楽しそうだなぁと考え中です。