「日本とどっか他の国、比べてみようか。何処が思いつく?」
「んー、アメリカかな…」
そんな始まり。まずは、日本とアメリカで違うところ、思いつくままにどんどん挙げてもらいます。
「ほら、アメリカは家の中でも靴を脱がないんだよ」
「学校の掃除もないんだよ」
パッと思いつく内容が面白い。いろいろ見聞きしてきた中で、どういうことが印象的なのかが伝わってくる。
「あ、ほらアメリカ人は大きいよ」
「体格ってこと?でも、アメリカ人と言っても、いろんな人種の人がいるでしょ?」
「白人とか黒人とか?」
「そう。後はほら、昔は“インディアン”って呼んでた人達とか」
「インディアン?って、どういうの??」
「知らない!?どういうのって…。ん~、ほら、『駅馬車』って映画とか…って知らないか…」
ここから、ネイティブアメリカンの話に脱線。コロンブスのこと、いろいろ知ってたね!
「アメリカ大陸発見って言ったって、そこには元々住んでいた人達がいたんだよ」
「え?じゃぁ、白人は後から入ってきたの?インディアンって、もういなくなっちゃったの?」
「いやいや、子孫がいるよ」
「有名人もいる?」
「有名人???ん~、テスタメントってバンドの…って知らないよね…」
この後も、どうしてアメリカに黒人がいるのか、よく知っているリンカーンと最近亡くなったモハメド・アリと絡めながらお話。
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世界の民族衣装を一緒に見てみます。
「あれ、この辺は似てるなぁ」
「こういう服ってことは、暑いのかな?」
いろんな想像がどんどんと。
「ちなみに、日本の場合は何になる?」
「あ、ほら、着物」
「けど、沖縄の民族衣装って、見たことあるでしょ?」
「そういえば、首里城が中国みたいな理由とか、学校で習ったよ」
世界各国の一週間分の食材を撮った写真を見比べてながら、
「あ、またピザ!」
「コーラばっかり!!」
「野菜が多いなぁ」
主食は何かな…とか探しながら見ていると、ほぼ穀物しかない写真。
「あれ?少ない」
「あ、ほら、ここに“難民”って書いてあるね」
「ほんとだ…」
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思いがけず、アメリカの歴史についての話への広がりが大きかったので、文化の話はちょっとだけに。また時間ができたら、続きを。“文化”という言葉自体が抽象的なので、具体的にいろんなことを追っていこうね。
今回は人権に関わるような話が多かったけど、長い長い歴史の中で、膨大な数の人たちがその時々の不条理や困難に立ち向かってきた結果として、人権などの考えを現在では一人ひとりが当然のように手にすることができているということは素晴らしく、そして尊い。奴隷や差別の話などをしながら、
「その当時では、当たり前のことだったんだよ」
「なんか、ひどいなぁ。そんなこと、いいの??」
こんな会話になる子どもの感性が、歴史の遺産であり、未来への希望でもあると思います。
先述のようにこのような感性が今日では当然に存在するということは喜ばしいという反面、歴史を振り返った上での気付きがなければ、どこかの誰かに何時しかかすめ取られてしまう危険性もあるのかも。そうならないためにも、大人が大事に守り育むことはもちろん、次の世代が更に育んでいく存在になるべきということを常に心に留めておく必要があると思うのです。
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そうそう。映画『駅馬車』は高校の時に映画好きの友達との話題に挙がり、インディアンの描き方について「こういう扱いは酷い!」と憤慨した記憶が。
ネイティブアメリカンが出てくる映画では、『ラスト オブ モヒカン』が好きです。