昨日は大きなデモがありました。
沖縄でも開催されていて、ぼくは一緒に歩くことは出来なかったけれど、ちょっと仕事を抜けだして車で応援してきました。想像以上に長い列になっていて「最後尾、まだ??」とビックリでした。
デモは、初めて行く時には緊張したけど、一度行ってしまえば次からは参加しやすいもの。そう考えると、昨日はこれからに繋がる大きな一日になりそうです。
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明日から9月。
鎌倉市図書館のツイートが話題になっていますね。
もうすぐ二学期。学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい。マンガもライトノベルもあるよ。一日いても誰も何も言わないよ。9月から学校へ行くくらいなら死んじゃおうと思ったら、逃げ場所に図書館も思い出してね。
— 鎌倉市図書館 (@kamakura_tosyok) 2015, 8月 26
公的機関として、この様に公言することにはいろんなハードルがあったと思っていたら、案の定このツイートは削除を検討されていたらしい。けど、今この時このツイートを目にすることができることで、つかの間でもフゥ…と息を抜いている子がいるだろうと想像すれば、この言葉が誰かの目に留まることの力を改めて知ることができると思う。
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不登校に関する相談が多いのは、どこかで見た統計でも、体験の上でも、ゴールデンウィーク明けと夏休み明け。
ゴールデンウィーク明けの場合は、新年度を迎えて心機一転今年は行けるかな…の一ヶ月間を経て、無理が表面化する時期でもある。
それと比べて夏休み明けの場合は、ある程度の長い期間、物理的に学校から離れることができていた時間が終わって、「あぁ、また地獄の日々に戻るのか…」という一学期の経験を元にした悪夢の見通しを立てられてしまう時期か。
4月や9月など、休み明けからフリースクールに通うようになった子の多くが「~をしてみたい」とかというように、ちょっとでも先の時間に対して、少しでも前向きな気持ちを持てるのは、長期休みの過ごし方が上記のようなケースと表裏の関係なのだと感じたりもする。
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ぼくも公的な相談機関にいたのだけど、そこでは、不登校の相談を受けた時に「明日、無理して登校することで何か好転しそうですか?そうじゃないなら、学校は休みましょう。休んでいる間に、大人がどういうことができるのかをもう一度考えましょう」と、普通に答えていた。これは、もう何年も前の話だから、先日の鎌倉市の図書館に対して目にする「公の場所が学校を休むことを助長するようなことを言うなんて」という批評は、時代遅れも甚だしく耳を貸すにも値しないと思う。まぁ、僕の職場は子どもの権利擁護にも関わっていたからなのかとも思う節もあるのだけど。
ちなみに、別の公的な相談機関(教育関連)の相談員が、「今休まないで登校したほうが、高校卒業のためには一番の近道だと説明しましょう。論理的に説明すれば解る年齢です」みたいに言っているのを真横で耳にしたことがある。この相談員は臨床心理士だったけど、辛くて頭がいっぱいいっぱいになっている子への対応として、それを一番近くで見て心配している親に“理詰めで追い詰める”様なことを勧める神経が、僕には全くもって理解できなかった。
そもそも、そんなことアナタに言われなくても“自分のこととして”身を切るくらい解っている年齢だ。
兎にも角にも、こんな感じで相談先によって対応は全く違うので、話をしているうちに「???」と思った時には、違う相談先を探してみることを勧める。これは、不登校に限ったことではないけれど。
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図書館に行くのもいい、家でゆっくりしているのもいい。まずは、ホッとしてから。それから次のことを考えよう。
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学校に行っていないことで、子どもは大人が思っている以上に学習進度への不安感を持つ場合が多いと感じる。これは、不登校関係の仕事の人も誤解していることが多い。「うちのフリースクールは宿題もないよ!勉強もしなくてもいいんだよ!」と子どもに説明しているフリースクール関係者に出会うことも珍しくないからだ。
ちなみに、小学校低学年から学校に行っていない場合は、学校で授業を受けている時間の経験が少ないからかこの傾向が小さいけれど、高校進学を意識するような中学生くらいになると顕著になってくる。
受話器の向こう側で「でも、学校行かないと勉強が遅れちゃうから…」と力無く吐く声を何回耳にしたか分からない。
大人からすれば、「学校なんて行かなくたって大丈夫!俺なんて全部忘れちゃってるけど、普通に生活しているよ!」なんて言えるかもしれないけれど、子どもにとっては今この時を生きていることが全てなのだから、ヘラヘラと「大丈夫!」と言われても、全然大丈夫じゃない。
そうではなくて、今までどうやって勉強していた子がいたのかを伝えることで、子どもが自分が勉強をしようと思った時に始めれば大丈夫だと思える安心感の見通しを、“具体的な”学習方法を持って共有していくことが“本当の大丈夫”に繋がっていくと思う。よく耳にする「勉強は自分がやろうと思った時にするのが一番良いよ」という言葉に発言者が責任を持つのであれば、“やろうと思った時”に、“何を”、“どうやって”という具体的な説明が不可欠だ。
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フリースクールに関わり始めて15年近く。教え子も大きくなっている。学校と違って出入りの多い場所だから、「あの子、いたなぁ」と思っても、今現在どうしているのか分からない子もたくさんいるのだけど、時折顔を見せてくれる教え子からは、他の子のことで知っていることをたくさん聞いておくようにしている。というより、気になって聞いてしまう。
得意だった料理の道を選んで試験にチャレンジしている子もいる、介護のボランティアをしているとメールをくれる子もいる、大学で教師を目指して勉強している子もいる、昔から好きだったことを勉強するために学校で勉強している子もいる、僕の大学の後輩になって一緒に母校のラグビーを応援しに行った子もいる、人柄がいいから声を掛けられて仕事を任されている子もいる、「ちょっと言いづらくて…」と僕より先にお父さんになったことを教えてくれた子もいる、それと、それと…。
こんな風に今の生活を邁進しているみんなも、初めてフリースクールに来た時には、ずしっと重いおもりを心に抱えていたのだろうし、学校ではない新しい場所への不安感も抱えていたのだろう。そして、これは親御さんも同じだと思う。
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「神田日勝?」と思うこのPVは、“The Coral”というバンド。
フリースクールを始める時、当初予定していた名前は実は既に他のフリースクールが使っているということが判明し、「みんな考えることは同じなんだなぁ」と笑いながらも、内心ショックだったのだけど、いつもお世話になっていたお店の人とこのバンドの話をしていて、「“Coral”って、サンゴっていう意味ですよね」と言っていたのを、しばらくしてふと思い出したのが今日に続いている。
沖縄では馴染みの言葉だけど、熊谷にいる頃には「“コーラル”って響き、良いですよね」と言ってもらえることが多かったので、嬉しかった。
コーラル。いろんな色、いろんな形、いろんな大きさの海の生き物が集まって、それぞれ思い思いに過ごしている場所。
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もちろん、コーラルでも待っています。
ちょっと勉強がしたくなったら一緒に勉強する準備があります。ちょっと何か作ってみようかと思ったら、その準備もしてあります。料理をしてみようかと思ったら、その準備もしてあります。少ないけれど、マンガも絵本もあります。
少し働く練習をしてみようかな…という時のために、お店もしています。けど、料理は苦手なんだよな…という時のために、こねて作るようなうどんとかを出しています。
まだまだ準備段階で、その割にはのんびりなコーラルだけど、待ってます。
それと。
今、コーラルは那覇にあるけれど、困ったなぁという時に話を聞いてくれる場所は全国各地たくさん思いつきます。直接行くも良し、家からちょっと電話してみるも良し。きっと両手を広げて迎え入れてくれる。
あなたのことを待っている人は想像している以上にたくさんいるよ、と伝えながら今日のブログはおしまい。