やっとこさスターウォーズのDVDを借りました。けど、やっと借りられた一本は、一番最後の話だったので、ちょっとスターウォーズ熱は落ち着いてしまった。
そんなで、この前は『エデンの東』をレンタル。この映画は、もう何回観ただろうというくらい観た。ちょっと首を傾げるシーンがあっても、そんなこと関係なくなるくらい大好きな映画のうちの一本。
まぁ、何回観ただろうと言いつつ、やっぱり同じ様なところでホロホロしていたのでした。
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電話相談の仕事をしていて、親から見た兄弟の性格についての悩みに出会うことはしょっちゅうだった。
比べちゃいけないけれど、どこか比べてしまう…。いけないと思っているから、親は比べてしまったことに自己嫌悪。けど、それが重なると余計に気になってしまい、悪循環…。
悪循環は、時に「上の子さえいなきゃ、家族はみんな幸せなのに!」みたいな感情の爆発を生むことさえある。爆発の後は、更に大きな自己嫌悪になってしまうことが多いので、文字通り自分自身を削りながら生きているよう。。。
得てして、下の子は、上の子がどういうことで親に怒られたり、褒められたりしているのかをじっと見ていることが多いので、どうやったら親に気に入られるのかという面で上手に立ち回れることが多い。こう書いているぼく自身も、姉がいたので、ご多分に漏れず…だったなぁと。
(もちろん、そうじゃない場合もある。例えば、上の子が親の代理になっている場合…など。『エデンの東』も『スタンドバイミー』も“優秀な”上の子と“ダメな”下の子の話)
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家庭という閉ざされている空間を、一身に引きうけている親(特に母親)にとっては、「なんだ!この子は!」となってしまうと、なかなかその渦から抜け出すことは難しいことが多いので、ちょっと外に向けてその渦の一端を出してみると、一時的にでも落ち着くことがあるかもしれない。
例えば、上の電話相談での悩みで言えば、上の子がいるからこそ下の子が要領よく振る舞えているという、兄弟がいるからこその相互作用に気付いたり、もしくはそのことを確認することが必要になってくるかもしれない。家庭というのは、そのメンバーの数に関わらず、一人ひとりが互いにその集団性のバランスを取ろうと働きかけている。何か具合の悪いことがあれば、誰かがそれを吸い込むようにして、何とか家庭という輪を維持しようとする鎖になったりする。
例えば、この鎖は、非行という形で表れる。相談の中で、親から子どもの悪行の延々と聴き「アイツは困った奴だ」という訴えを受けても、その訴えがあまりに独善的すぎる場合も珍しくなく、“けど、そのおかげであなたは親として振る舞える立場を維持できているのかもしれないですね…”と、思わず口をついてしまうようなこともあった。(もちろん、言わない。一回限りの電話相談ではそこまで踏み込めないから)
もちろん多くの場合は、凝り固まってしまっていた視点から一歩離れ、違う視点から話をしていくことで、親も落ち着いてくれば「まぁ、そうですね」と言いながら自分の成育歴と重ねて話をしてくれたりすることも珍しくなかったです。
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『エデンの東』の時代は戦中だったけれど、今日でもこの映画と同じ様に悩んでいる、親、子どもがいるんだろうなと、改めて。本屋に行けば“子育ての How to 本”みたいなものがあったり、テレビをつければ子育て専門家みたいな人が自分の切り口で子育て成功論を言うけれど、なんだかんだ言っても親子関係や兄弟関係というものの悩みは昔から変わらないんだなぁと思うと、悩みを上手く解決する方法を…というよりも、どうやって現状と付き合っていくのか…という視点の方が大事だなと、改めて感じたのでした。
家庭の状況を一番知っているのは、もちろんその家族。ただ、自分達の中でクローズアップされ過ぎていることから離れ、一旦広い視野になり、どこか受け流してきてしまったことを見直すことは、状況を変える大きな一歩になるかもしれない。もちろん、その一歩は本当に一歩で、これから続く長い道のりがあることには違いないけれど、広い視点でいろいろな景色を感じながら進むのであれば、その長い道のりもまた違ったものになるかもしれないな、と思うのです。
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『エデンの東』の中では、家庭外からの視点を持ち込んだのは兄の恋人。ずっと離れて暮らしていた母は、どれだけ時間を経て再会しようとも、やっぱり家庭の問題の渦中にいて、外からの広い視野には成り得ないのが、何とも象徴的だなぁと思ったのでした。
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そうそう。映画自体の話も。
映画中で印象的なシーンというのは、ジェームスディーンのアドリブであることが多いらしく、若くして稀代の俳優だったのだなぁと沁み入ってきます。
もちろん、音楽もとても良い映画です。